2019年10月08日

ブレイリー・ザクセングルスの十四年

大変お待たせしました。
前回掌編から、二ヶ月近くお待たせしてしまいました。
にもかかわらず、予告した部分、全部は終わりませんでした。
ロスマリン救出戦、今回は前半部分をお送りいたします。
そして思いがけず、二回分更新となりました。

……うん、実はこの二回と、次回更新予定の一回とを、ワンセンテンスで書くつもりだったんだ当初は。

でもこうやって書いてみて思った。
馬鹿、長すぎると。
(そして多分、次回はもっと長い)
そして書いてみた結果、視点も動いていれば違う話もしているので、思い切って分割いたしました。
まあ、待たされた分得をしたと思っていただければ幸いです。

そして今回の後記では、以前と同じく反省会。
この7年間で、私の考えとこの話の予定がどう変わったのか、というお話をさせていただきたいと思います。
ちょっと長いので、興味がある方はちょっとお付き合いください。

題して「ブレイリー・ザクセングルスの十四年」
別名「作者は7年前浅はかでした物語」


今回の16〜17回ですが、予定にはなかった登場人物が前面に出てきました。
ジリアン・ゴールドラクス。
この物語の段階で、一番隊第二中隊隊長。
後に一番隊隊長となり、傭兵団の中枢を担う男です。
彼をはじめとした沢山の子どもがブレイリーに拾われた経緯は、別の機会に記すつもりでしたが、今回その話を少しだけ先に持ってくることにしました。
(以前Twitterで触れた「ロスマリンとブレイリーの結婚式」がこれです。二人の結婚式を軸にして描く「ブレイリーの周囲の人たち」の物語で、ジリアンの話はこの中の一篇)
今回、突然傭兵団の孤児院突然出てきましたが、実際突然です後付けです。
この物語を再開してから、わりと最近考えた話です。
ただ、思いつきというよりは必然だったと思っています。

ブレイリーの設定は実のところ、セプタードの話を考えている最中に、相当後付けされました。
それが今回仄めかされた「レーゲンスベルグに来る前にあったこと」であり、本編終了後の14年間に起こった様々なことだったりします。
それは大体はロジックによる必然なんですが、連載が進んだところでまたお話しするとして。
本編終了後、ブレイリーはカティスから傭兵団を引き継いで団長になります。
以降14年を、奴は「名ばかりの団長」「ただ目の前に積まれた仕事をこなしていただけ」と評しましたが、今の私は「冗談じゃねえ」と言います。

ブレイリーのこの14年間、楽だったわけがない。
どれほど大変だっただろうかと。
察するにあまりある、と今の私は思ってしまったんです。

その原因は、過去の私が本当に安易にレーゲンスベルグを独立させてしまったこと。
そしてとても安易に、レーゲンスベルグ傭兵団と1200年代のザクセングルスという家を作ってしまったことにあります。

それは今になって考えると、とんでもない「無茶」だったんです。

そう思うようになったのは、この7年間、私がそこそこ働いて、金勘定だの組織運営などという「仕事」というものが見えてくるようになったからですかねえ。
自分の身に置き換えてみると、よく判る。
ブレイリー、あんたのやったこと、事業としてどれだけ大変だったろう、って思っちゃったんですよ。

レーゲンスベルグの独立と、二冊の禁書を戴くザクセングルスという家。
それは勿論オフェリアを救うための道具立て、『彼方から届く一筋の光』という物語を成立させるために作りだしたものでした。
そしてそれは成功はしたんです。あの物語はそれでよかったし、ああいう斜め上のウルトラC繰り出さないと、オフェリアは救済できなかった、というのは当時記したことです。
そしてあの話を書いた時、この道具立てを作り上げたロスマリンとブレイリーの話を書かねば片手落ちだ、と思ったことにも間違いはありません。

でも、私「1200年代のレーゲンスベルグの荒事は全部ザクセングルスの担当」にするために「1000年代の都市防衛を傭兵団がやる」ことにしてしまった。
本編でカティスに「大変だ」と安易に言わせてしまったけれども、これ、大変どころの騒ぎじゃない。
今になってみれば思う。
無理だし、無茶だ。
あれだけ家が発展し、装備も資金も人でもある1200年代のザクセングルスならまだしも。
1000年代の傭兵団、何人だった? そして奴らどれだけ資金持ってた?
そう考えると、目の前真っ暗。

それなのに私は『彼方へと送る一筋の光』の7回のブレイリーの回想で、そのことをとても簡単に書いてしまった。

そりゃあ300人で20万都市の防衛をするなんて、全然足りない。
だから「組織としての傭兵団はどんどん大きくなり」なんて書いたけど、ちょっと待てお前それで済ますな。
今回傭兵団が全軍で6000人いると書きましたが、レーゲンスベルグが14年で40万都市まで発展してるとして。
傭兵団が軍隊代わりだけではなく、警察代わりとして機能しなければならないと考える以上、それくらいの数は必要だと考えました。
だけど14年で6000人の人員調達する労力と資金。
6000人の組織を円滑に回すシステム作り。
考えるだけで目眩がします。

でも、ブレイリー、それ何とかしちゃったんですよね、物語上。
それにどれほどの苦労と困難があっただろう、と率直に思うわけです。

そりゃ街の人たち、感謝もするよ。しないわけないよ。
だって、あなたがいなければ、レーゲンスベルグはどうなってたのさ、という話になるんだもの。
(で、そこら辺はこの後の連載と、結婚式の時にもうちょい詳しく)


でも、ブレイリー本人には、その自覚がまーーーーーーったくないんだよな。


セプタードがさんざんブレイリーのことを卑屈だと言いましたし、ジリアンが自己評価の低さが頭にくる、と申してましたが、全くその通り。
本人の視点で書いている以上、本作ではこのあたりが全く伝わらない。
なので今回、ちょっと先にジリアンに語ってもらいました。
ただなんでこの人ここまでこうなのか、と考えましたら。

ブレイリーの精神にも、かなり問題あります。
問題があったのだと、セプタードの視点からブレイリーを見てみて気づきました。
ブレイリーのことは結局、本人の視点からでは判らないんです。
今回本人が「歪んでる」と言いましたが、14年前に無気力に陥った原因も、やっぱりそこにある。
連載ではこの後そこに突っ込んでいくことになりますが、真に理解するにはやっぱり子ども時代の話をしないと判らない。
なんで、すみませんもうちょっと待ってください。
そこに辿り着くまで、お付き合いいただければ嬉しい限りです。
脱落しないように頑張りたい、と思っています。

ということで次回こそ救出作戦、決着(にしたい)
「ブレイリー、ついにキレる」
「セプタード無双」
の二本立てでお送りします。
多分長い。今回の二回分合わせたところより、まだ長いかもしれない。
とりあえず頑張る気ではいますので、更新時には足をお運びいただければ幸いです。
posted by Sae Shibazaki at 20:01| Comment(0) | 小説執筆
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