2008年11月21日

東日本ほぼ一周途中下車の旅:2日目

東日本ほぼ一周途中下車の旅も二日目。
この旅行において、もっとも緩い一日がこの二日目です。
ゆったりのったり過ぎていく在来線の旅。
山があるわけでも、谷があるわけでもない平坦な一日。
よろしければお付き合いください。


ホテルは素泊まりなので、まずは新潟駅で朝御飯。
でもまだ下書きしかできていないスピーチ原稿が問題です。
ホテルに貸出し用のパソコンはない。
一応フロントの方に聞いてみます。

「この辺に、ネットカフェありません?」
「ありません」

何となく予感はしてましたけど。
一応、ここ、政令指定都市の駅前だよね。
実は秋田駅前もパソコンを使えるところがなくて、出張の人たちがプリントアウトに苦労されてる。
プリンター使えるところがないか仕事がらよく聞かれるんだけど、仕方なしにネットカフェ案内している。
それでも秋田駅前にはエクセル・ワード印刷可能なネットカフェ、あるんだよ。
一軒だけだけど、それでもあるんだよ。

すみません。
新潟のビジネスの中心地って、どこなんでしょう。
そしてオチとして、私は新潟駅前でこの一連のドタバタを何とかできたのでしょうか。
もし知っている方がいたら、教えてほしい。

BLT.jpg取りあえず朝御飯にBLTサンドを食べながら、検討会。
新潟駅前でパソコンを使えるところがあるか探すか、それとも燕三条駅前で探すか、それとも全てを明後日の東京に委ねるか。
でも、こういうのを後回しにすると、たいてい後手に回るよなー。
そう思いながら携帯でネットカフェ、燕三条で検索すると、出てきたのは何と今日のお宿の隣の建物。
ラッキー、というわけで、とっとと燕三条に移動することにします。

今回の旅行は「片道切符の旅」の旅ではありますが、1枚の切符で移動しているわけではありません。
途中下車が成立するのは乗車券のみで、特急券はそれぞれの下車ごとに購入しなくてはなりません。
だから私は、秋田発仙台行き(新潟・大宮経由)という乗車券と、秋田−新潟という特急券、燕三条−東京&東京−仙台という新幹線特急券を持っていたわけです。
つまり、この日燕三条で一泊し、翌日にここから新幹線で東京に向かう私は、もしこの日燕三条にも新幹線で行こうとすれば、新潟−燕三条間の新幹線特急券も購入しないといけない、ということになる。
この貧乏人に、そんな懐の余裕はありません。
時間は1時間以上かかりますが、ごとごと鈍行で参りますよ。

しかしローカル線の最大の問題は、悲しいくらい本数が少ないということ。
ご飯で手こずっているうちに、信越本線は行ってしまったではないですか。
次となると、50分近くありますのね。
どこかで時間をつぶそうか、と駅ビルのある東口(南口と言うべきか悩むところなんですが。新潟市民さん、そこのところどうなの?)へ自由通路を渡っていましたら。
通路の一方の窓に、お客さんが鈴なりですよ?
どうかしたんですか?
のぞきこんで、思わず内心で叫ぶ。


SL.jpg



SLだーーーーっ!











そうか、今日は週に一度の「SLぱんえつ物語」号の運行日。
カメラを目一杯望遠にして撮影して、ふと気づいた。
ホームに行けばいいんじゃん、いずれ信越本線に乗るために、在来線のホームに行かなきゃならないんだから。

そうと決まれば話は早いです。
磐越西線のホームに行って、立派な三脚・一眼レフを装備された撮り鉄さんたちや、運転席を見学させてもらっているお子さんたちを写すお父さんお母さんと一緒に、ひとしきり撮影会。
廃車になったSLは地元の動物園にも置いてあるのですが、ちゃんと石炭積んで蒸気通している実車は初めて見ます。
何となく嬉しいです。


自分が意外に鉄なのかもしれないと、薄々感じ始める今日この頃。


ひとしきり堪能した後、信越本線のホームで列車を待ちます。
そうこうしているうちに、ばんえつ物語号が出発するようですよ?
蒸気の奏でる警笛の音が、高らかに響き――。


げほっ、げほげほげほほほっっっ!


3ホーム離れた私ですら、煙に巻かれた。
磐越西線のホームにいた人たちは、間違いなく瞬間何にも見えなかっただろう。
「トンネルに入ったら窓を開けてはいられなかった」と母が語ったことを、身をもって体感しました。
恐るべし蒸気機関車。

そんなこんなで、ゆるゆると信越本線も出発しますよ。
まず目指すは東三条駅。そこで弥彦線に乗り換えです。
景色は晩秋、葉を落とし、たわわに実った柿の実が目を引く田園風景――なのですが。
とても気になるものが一つ。

あの線路脇や、河原におびただしく生える黄色い植物は、一体なんだ?

秋田では見たことがあるかもしれないけど、あんなに目につくようなおびただしい生え方をしていれば、気づいていたはず。
昨日通った山形でも、こんな光景には出くわさなかった。
でも、新潟からずっとこの情景。
この放置され方から、多分雑草だと思うのだけど。
なんだろーなー。
なんだろーなー、と二日間考え続けて、この時不意に思いついた。


もしかしてこれが、セイタカアワダチソウ?


aboutには書きませんでしたが、私は新井素子と大和真也を読んで育った人間です。
私が最も影響を受けた作家は間違いなくこの二人で、だからこそ私はSF畑の人間だと自分では思っているんだけど、それはそれとして。
(あの頃のコバルトは本当ライトSF文庫だったよなー、と呟いてみる)
新井素子の作品には、頻繁にセイタカアワダチソウが出てきて、その情景描写に慣れ親しんでいるから、判ったわけなのだけれども。
ああ、あれらの作品に出てきたセイタカアワダチソウの野、って、こういう情景だったのか、とようやく理解しました。
確かにこれの野原は、凄いことになりそうだよなあ。
思わずため息が出ます。

黄色と緑と枯草色を越えて、電車は東三条駅に到着。
ここから弥彦線に乗り換えて、燕三条駅に向かうわけなんです。
が。
今回の旅行で最大のパニックは、この弥彦線。
三条市の中心は、新幹線駅である燕三条より、この東三条なのかもしれない。
その燕三条駅に向かう弥彦線がワンマンカーなのもまあ、いい。
無人駅で停車の場合は、先頭車両にある料金箱に料金か切符を入れていけ、というシステムも、別にいい。


しかし新幹線駅である燕三条駅が、無人駅というのはどういうことなの。
しかも燕三条駅で降りる他の乗客が、誰も切符を入れていかないというのは、さらにどういうことなの。


疑問はやがて明かされました。
ですがここでこの旅最大の難問として、立ちふさがりました。

弥彦線改札は、無人。
そしてそこにある切符回収箱に、客たちは切符を入れていっている。もしくはSuicaをタッチしていっている。


私はこの切符を回収箱に入れたら、残り3日間どうしたらいいのですか!


結論。
私は何も箱に入れずに、誰にも何も断らず、無人改札を通過しましたよ。
だってそうするしかないじゃないですか、途中下車確認してくれる駅員さんいないんだもん。
叫べるものなら叫びたいさ、私は無賃乗車ではないと。
しかしこの行為を、何もためらわずにできるようになった辺りで、自分が図太くなったというか、度胸がついたというか、年をとったなと思うことしきり……。

thubamesanjyo-st.jpgそんなこんなを乗り越えて、やっとつきましたよ燕三条駅。
この写真は、今日のお宿がある燕市側から。
ほんの数十メートル先の逆の出口から出ると、そこは三条市だったりします。
燕三条駅は本当に燕市と三条市の境界に立っているようで、なんとなく色々な政治的なやりとりがあっちゃったりするんだろうなあ、と思いますがどうでしょう。
すぐ近くにある関越自動車道のインターの名前が「三条燕」と駅と逆なのも、きっと色々あったんだろうなあと思ってしまうのは、旅行者の邪推ですよねそうですよね。

今日のお宿は、駅から近い全国チェーンの老舗ビジネスホテル。
迎えに来てくれる友人との待ち合わせの前に、宿題を片づけないとです。
荷物をフロントに預けて、いざ隣の建物へ――って。

携帯で検索したネットカフェが、どこにも見当たらないのはなぜですか。

もう一度検索して、自分の間違いに気づいた。
検索したページのカテゴリが、「燕三条駅前のアミューズメント・ゲームセンター・ネットカフェ」だったことに。
確かにこの建物に、ゲーセンはあるなあ。

や、やっくでかるちゃあ……。

結論として私はこの日の夜、ホテルでパソコンを借りて清書をすることになるのですが、当然のごとくプリンターはなく。
宿題は、結婚式同日まで持ち越しとなるのです。
この後は友人と落ち合い、生後五ヶ月ふっくふくの赤さんにひたすら和む午後を過ごしたのですが、それはプライベートすぎることなので割愛するとして。
明日への若干の不安を残したまま、二日目の夜は更けていくのでした。
明日は東京、いよいよ結婚式です。
posted by Sae Shibazaki at 22:15| Comment(0) | 旅行
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