2009年05月11日

心は空を裂く号令を聞いた(2)

そんなわけで、初日からしてとんでもない長さになった旅行記。
でも本当に一番長く、一番重いのはこの二日目です。
ライブとこの日と、メインイベントはどっちだったのかちょっと疑問になる二日目。
先にお断りしますが、猫が大嫌いという方は、今回ばかりは決して進まれない方がいい。
この注意を無視して先に進まれても、苦情の類は一切受け付けませんので、あらかじめご了承ください。
(いや、どうしてこんな注意書きをわざわざするかというと……身内にいるから判るんだ。駄目な人が、どれほどまでに駄目なのか)


今回、RさんとTさんからリクエストがありました。
「宮城に行くのなら、行ってみたい場所がある」と。
次の機会があるか判らないし、これだけの面子が揃うのなら実行しちゃえ! ということになったのですが、これが今回の旅行最大の難関でした。

私たちは、朝9時まで石巻に着かないとならない。
仙台−石巻間は60キロ強。
しかし、頼んでいたレンタカー屋が開店するのが7時半。
1時間半で、何がなんでも石巻に着かなくてはなりません。
でも朝御飯は食べないといけません。なぜなら目的地には、昼御飯まで持参しないといけないのですから。
前日倒れるように眠り込んだ一同、7時にちゃんと集合できました。
7時開店のパン屋さんに飛び込んで朝食。そして昼食分も買い込んで、開店したばかりの駅レンタカーに飛び込んで手続き開始。
なのですが。

giniti.jpg
私は、君によく似た奴を知っているよ。
多分、君の兄弟だと思うんだけど、どうだろう。

k30.jpghotel3.jpg

Tさんちのオオミヤ君(左)と江草さんちのチバちゃん(右)
(写真提供は勿論江草さん)
よく似てる二人より大きいので、多分長男なんだと思います。
内心で宮城銀一郎と名づけさせていただきました、たった今。
勿論愛称は一郎のアニキです。(人んちのペンギンに勝手に名前をつけんな)

そんなこんなで車を受け取ったのが7時45分。
仙台駅東口から、国道で高速へ。
言うまでもなく、ラッシュ時刻ど真ん中です。
高速に、高速に乗っちゃえば! とじりじりした思いで運転していたのですが、翌日になって気づきました。
ナビが遠回りルートを指示していたことに。
しかもその道が、工事中で車線が大幅減少になっていたことに。
ちょっと、ナビ子さーーーーんんんっっ!

そんなこんなありましたが、8時55分に最初の目的地・石巻港に到着。
車を停めて、大慌てで走ります。

待ってください! その船乗ります!

そうです、私たちは離島に渡ろうとしていたのです。
その島に行く船は、一日たった3便。
朝のこの船を逃すと、昼まで船はないのです。
そして昼の船で渡ると、島からの戻り便はもう夕方の1便しかないわけで。
万一の欠航の危険を考えると、朝の便で行き、昼の便で帰りたい。
それが朝の強行軍の理由でした。

hatou.jpg片道一時間の船旅。
写真が暗くて、天気が悪いように見えますが、実際は薄曇り。
デッキに立つと風が強いくらいで、快適な船旅でした。

そうして辿り着いた島の名は、田代島。
周囲11.5キロ、人口100人の小さな離島、そして知る人ぞ知る猫島です。
大漁の神様として猫を祭っており、現在では島民より猫の数の方が多いとか。
私たちの乗船した「網地島ライン」は田代島の大泊港、仁斗田港を経て、隣の網地島へと向かうのですが。
私たちはまずは大泊港で下船して、近隣にある猫神社へのお参りへと向かいました。

が。



road02.jpg
いままで登ってきた道と。

road01.jpg
これから登っていく道。

正直に言います。
紛うことなく山です。
前日のライブですでに、アンコールのコールがかかっている最中、立っていられなかった三人です。
足が悲鳴を上げますが、行くも戻るも結果は同じ。だとしたら行くより他にしかたありますまい。

だって、まだ一匹の猫にも出会ってないし!

nekojinnjya01.jpgnekojinnjya02.jpg

かくして辿り着いた猫神社は、とてもかわいらしい祠でした。
綺麗に彩色された石や、猫缶などが沢山お供えされています。
社の屋根には、ちゃんと猫様も鎮座ましましているし。
三人三様にお参りをして、さらに山道を登っていきます。


当然、まだ猫はいません。
というかそもそも、私たちはまだ大泊港以降、一軒の人家も見ていません。
「こんなところで猫に会ったら、それは家猫じゃなくて」
「山猫、だねえ」

cherry01.jpglandscape.jpg
廃校になった学校(注:現在は自然教育センター)近くで今年最初の桜を眺め、遥か牡鹿半島や金華山を望み。
やがてゆるゆると道が下り始め、人家が見え始めてきた頃。

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第一島猫発見!

と思っていたら。

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あっというまに第一島猫群に発展。

それまでの閑散っぷりが嘘のような大盛況、大歓迎モードです。
触らせてくれます。撫でさせてくれます。人馴れしてます物おじしません。
しかし、決してごろごろ言って喜んだりしないあたりが、野良の矜恃だと仰るお二人。
でもどの子も毛並みがよくて、島の人たちに大事にされているのが判ります。

第一島猫群にしばらく構ってもらった後、さらに道を下りますと、道の向こうから駆けてくる人影ならぬ猫影あり。

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第二島猫発見! と思っていたら。

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案の定、あっという間に第二島猫群になるし。

ずっと着いてきてくれた第二島猫と共に、港近くまで降りたら。
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第三島猫が駆け寄ってきてくれて

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浜辺までご同伴くださる出血大サービスっぷり。

ひねもすのたりする春の海をしばし堪能した後、一同は猫たちに別れを告げてマンガアイランドに向かいます。
この島、石ノ森章太郎氏が晩年はここで漫画を描きたい、と仰っていたところで、それにちなんで漫画による町おこしをはかっている土地です。
マンガアイランドと名づけられた一角には、ロッジやキャンプサイトなどが整備されているのです。
が。

landscape02.jpg
私たち、先ほどまで浜におりましたよ。
なのに、この景色は何でしょう?

cliff.jpg
死にます。色々な意味で死にます。
特に足が。

lodge.jpg
ようよう辿り着きましたマンガアイランドに鎮座ましますは、里中満智子氏デザインロッジ。他にもちばてつや氏デザインロッジもあります。
どこまでも猫です。

中央にありますセンターハウスには、職員の方の姿が。
こんにちはー、お邪魔しますー。
ちょっと休ませてもらっていいですか。

どうぞどうぞー、という温かいお言葉に、二階のお部屋に上がらせていただきます。
色々な野外教室や、夏には漫画合宿などを行うという広いホールには、著名な漫画家さんのイラストがずらりと並んでいます。
絵描きさんたちが先人に習って一筆走らせるのを、興味津々で眺める字書き一名。
ゆっくり休ませていただいて、外で持参の昼食も取らせていただいたところで、職員のおじ様に勧められます。

ここから下ったところに、学校の浜というとても綺麗な浜辺があるよ、と。

……大変心動くお誘いなのですが。
ここからそっち方向に降りていくということは、私たちは帰りの船が出る仁斗田港に向かうために、再びここまで登ってこないとならないということになりませんか?

結論は満場一致。

無理です!

そんなわけで、ゆるゆると丘を下って仁斗田港へと向かいます。
船にはまだ時間があるけど、足も辛いし、ゆっくり港で待っていればいいよね、ということだったんですが。
だがしかし。
仁斗田港、そこは。

その日最大の猫だまり。

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Tさんの指になぜか皆釣られる島猫群と、襲われるRさん。

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懐かれて動けないTさんと、絶賛喧嘩中の二匹。
語り合っているのでもまったりしているのでもありません。
岸壁でガチにらみ合いの真っ最中。他の猫たちは、遠巻きに眺めておりました。

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nemurineko.jpg
港一堂々とした風格を見せ、人が来たとみたらさっと駆け寄りアピールするその姿に、一同に「営業部長」と名づけられる美猫。
そしてまさに左甚五郎という姿で寝てた猫。

最後の最後まで、猫好きを捕らえて放しませんよこの島は。

予定通り13時41分初の船に乗って、再び石巻港へ。
たった四時間の滞在でしたが、全力で堪能しました。
そしてこのサイト的な感慨としては、もう一つの目的も達成できた気がします。

いやですね、今書いてる(というか止まっている)新作、最初の舞台、離島なんですよ。
今回徒歩で歩き回って、何となく感覚として判った気がしました。
あとはそれを、いかに原稿に反映させるかなのですが、それはそれとして。

14時34分、船は無事に石巻港に到着。
その間は沈没していたので、まったく記憶がありません。
運動不足の昨今、これだけ歩いた日もないだろうという一日。
実は、まだ終わっていません。
そうです時刻はまだ14時半。
この後一行がどこに向かったのか、という話は次回へ。
posted by Sae Shibazaki at 12:30| Comment(2) | 旅行
この記事へのコメント
お久しぶりです
管理人さん

しっかし・・・・猫がいっぱいですね^^;
こんなにいるとなんか壮観っていう感じですね。あはは・・・

でも、漫画家の里中さんがデザインしたという家を見た瞬間、いけないと想いつつ、大爆笑したのは内緒にしておいてください。


Posted by へろ at 2009年05月23日 20:59
へろ様<
お返事が遅くなりまして、失礼しました。
取りあえず私たちが出会った合計で30匹くらいですが、200匹いるという触れ込みなので、それでもごく一部なのかと。
それでもこの日は天気がよかったので、遭遇率が高かったらしいことは、後で判りました。

ロッジのデザインについては……おとっつぁん、それは言わない約束よ、ということで。
もう一棟も、なかなか素晴らしいというか凄いというか。
ちなみにこのロッジ、予約すれば泊まれます。
Posted by 柴崎 at 2009年05月28日 21:43
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