ご無沙汰しておりました柴崎です。
体調の方は、まあ何とかというところです。
感想書くには、あまりにもテンションが下がっておりまして。
その原因は、治りかけのところで見た『ミュンヘン』
あれは堪えた…………。
一番堪えたのは、ミュンヘン事件の犯人が「我々の声が世界に届いた」という言葉。
11人もの人間を、あんな風に惨殺しなければ、誰にも聞き遂げられない「声」がある。
それだけの命を犠牲にしなければ、誰にも目を向けてもらえない「叫び」がある。
その虐殺を肯定することはあってはならない。
しかしその「叫び」は、その「声」は、打ち捨てられていいものでもなく。
けれどもその「声」を汲めば、他方に同様に虐げられ打ち捨てられる者が現れる。
その現実が堪えた。
語りかける言葉はなく。ある意味ではストーリーさえない。
ただ映像だけが、現実を突きつけてくる。
そしてただ一言だけ突きつけてくる。
「本当にこれでいいのか」と。
それに対する答を私はもたない。
いいわけがない。
でも、否とした時に、突きつけられた問題をどう解決するか、ということに対して、その答をもたないから。
だからひたすら、考えていくしかないのだと思う。
どうしたらいいのか、と。
今回この映画を見にいった最大の理由は、今書いているものが、どうしても「テロ」というものと不可分だからなのですが。
この現実をどう飲み下し、どう私が描くは、あとは私の器量と技量だなと思う。
やっぱり人が死ぬということは、重い。
2006年03月09日
本当にこれでいいのか
posted by Sae Shibazaki at 00:00| Comment(0)
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