2005年11月06日

耕筰先生、容赦なし

いよいよ冬祭の当落が発表されたようで、いよいよ皆様お忙しくなってくる年の瀬ですね。
私の職場、年最大の繁忙期・通称『地獄のロード』は、今年は11/28スタートです。
例年より開始と終了が二週間ほどずれ込んでいるため、多分そこからもう年末まで怒濤の生活になることと思います。
目の前に積まれているもの全て、28までにでかさないと思うと……ぶるぶる。
そんなわけで、今月末から、ここも滞りがちになると思いますが、どうぞよろしくです。

あと今日はもう一つ業務連絡。
今春の私のインフルエンザの時Eさんちでやってもらったことの、逆をやることになってしまいました。
ええ、はい。今度はE氏が臥せっております。
しばらく留守にすることになるかもしれませんが、また元気な姿を見せ、愉快な一言を見せてくれるものと思います。

さて今日の話題ですが、先日、『生れ月の神秘』という本を見ました。
発行が1925(大正14)年、日本最初の星占いの本という触れ込みの一冊。
著者は山田耕筰。
そうです。夕焼け小焼けで日が暮れて、ころり転げた木の根っこで、この道はいつか来た道の山田耕筰先生です。
初めて見た瞬間、私も目を疑いましたさ。

一体なんで日本を代表する作曲家が星占い?

そこら辺の真相は、この本の復刊に際して監修をしておられる鏡リュウジ氏をしてもはっきりしたところは判らないようなんですが、この耕筰先生義理のお兄さんがギリシア人ですし、本人も何度も洋行しておられる人でしたから、不思議ではないといえば不思議でもないかもしれない。
そこら辺の話が興味のある方は現物を見ていただきたいんですが、今回これを取り上げましたのは。

……あのですね。


私、こんなにも容赦ないこと言われた占い本は、初めてだわ。


「残忍酷薄で、怨みを含むことが深く、人心に亘る批評を聞くとすぐに立腹するといふやうな性情を持つてゐることも、時としてあります」(『生れ月の神秘』167pより引用)


…………いや、その。
それ、確かに、当たってないとは言わないよ。
ええ、確かに、そうなんだけど。


そこまではっきり言うなよっ!


「心の変わり易いこと尋常一様ではありません。この月生まれの婦人は、殊にさうです」(同168p)
「この月に生まれたものは、調和、安定といふことに欠けてをりますから、心の平衡を得ることを絶えず心がけてゐなければなりません」(同169p)
「努力、即ち仕事は、どんな種類のものでも好きといふことはないばかりか、しばしば心からのなまけものであることさへあります」(同169p)


……耕筰先生。
あなた容赦なさすぎっっっ!



そんなわけで、美文調で容赦ないことをずばずば言うこの本。
本屋や図書館でお見かけの際は、ぜひ自分の月だけでも見てみてください。
内容は普通の占い本から逸脱しているわけでも突出しているわけでもないですが、この容赦のない文章、一読の価値はあるかと思います。

でも、大変容赦のない耕筰先生ではありますが、その厳しさは的を射ていて、正しい。


「わたしの感情が人を傷つけやうとしなければならない理由があるだらうか? わたしは人を傷つけやうとは断じて思はない。だからわたしは、どんな軽侮でも、それがわたしを立腹させようために行はれるものだとは信じない」(同177p)


そう絶えず胸に刻んでおけ、という先生の意見は、本当に正しい。
posted by Sae Shibazaki at 00:00| Comment(0) | 読書
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