2006年10月06日

運命の最果てへ

ああ、やっと日記が書ける時間の余裕と体力が捻出できた。
かなり緩くない一週間を過ごしておりました柴崎ですこんにちは。
最優先事項のノベルの更新で手一杯でございました。

さて、そんなノベルも本日をもちまして、10章を終えることができました。
連載を初めてから半年。とうとうここまで参りました。
このサイトに、連載開始以前から足をお運びくださいました方。
連載開始頃より、間を空けずお越しいただいている方。
そしてこの佳境でお越しいただき、気に入っていただけたのか、その後も素晴らしい勢いでおつきあいいただけている方。
そして拍手や投票を下さる方、コメントを下さる方、皆様に心から感謝しております。
本当におつきあいくださいまして、ありがとうございます。

物語はいよいよ終幕を迎えます。
シェリー・アン王妃の昔話が語るように、最終章は革命という名の戦争に突入します。
イプシラントの会戦、アルベルティーヌ解放戦、そして運命のアルベルティーヌ城の戦いへと物語は進んでいきます。
今まで交わることなく、アイラ側とカイル側の二つの系統で進んでいた物語は、この最終章で交わり、それぞれの人たちはそれぞれの相手と運命の対峙をします。
そして多くの人たちの運命と人生が、ここで決着します。

もう皆様お判りのように、この物語において、全ての登場人物に完全無欠のハッピーエンドをもたらす方法はありません。
誰もが譲れない願いを持ち、それがぶつかり合う以上、必ず勝者と敗者に分かたれる。破れ去る者が現れる。
たとえ誰一人悪くなかったとしても、たとえその願いがどれほど正しく真摯であったとしても、それでも全ての者の願いは同時には叶わない。
それはもう、動かしようのない現実です。

けれども。

けれども、の先の言葉を、この最終章の向こうにお汲み取りいただければ、これ以上の幸せはありません。


最終章『それでも朝日は昇る』
カイルワーン、アイラシェール、カティス、ベリンダの四人と、彼らを取り巻いた沢山の人たちの運命の終着点。
全ての方に是としてくれとは申しません。
ですが、最後まで見届けていただければ、作者としてありがたく思います。
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2006年09月21日

ちろっと教えてやってください

どうにも今一つ、平常運転に戻りきれない柴崎ですこんばんは。
理由は端的に仕事なんですが……何と言うかもう、職場全体がもう常時スクランブル体勢なんだから仕方がない。
自分に嘘つかないように、休みつつ頑張りつつやっていきたいところです。

そんな毎日ですから、連載の更新に対して反応がいただけることが何よりありがたいです。
拍手もコメントも、本当に嬉しく頂戴しています。
連載始めた時に「読んでくれる人がほしかった」と書いたのは嘘ではなくて、本当に心からの言葉だったのですが、昔からのお客様――私という人間を知っている方も、ノベルサーチさんから来られた新しいお客様も、色々な方があの話を読んでくださっている。日を空けずに通ってくださっている方が、何人もおられる。
それは本当に、4月のあの段階では考えもしなかったことで、これ以上ないほどありがたいことと思っています。

月並みな言葉でしか、お礼が言えないことがもどかしいのですけど。

無論、そんな方たちに報いようと思えば、すべきことは二つだけ。
あと一ヶ月、最後まできっちりと更新すること。
あと一つは、とっとと新作を書くこと。
それだけだよなあ、と本当に思います。
(そんなわけで、今かなり真剣にタイのクーデターのニュースにかじりついている次第。こんなにも私が考えていた物語に似た現実を、目の当たりにすることになるとは……)

そんなわけで、後学のために、ノベルのページにアンケートを置かせていただきました。
作者、率直にお聞きしたい。
もしこの話をお気に召していただいているのならば、出てくる人物の誰がお好きですかと。
どうも私の想像――というか狙いと、今までのコメントなんかを考慮した結果が、どうも食い違っているような気がするんですよね。

もしよければ。
ぽちっとボタンの一つ、押して教えやってくだされば嬉しいです。
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2006年09月19日

伝説の始まりと真実

多忙でした連休もようやく終わりまして、平常運転にほぼ戻りつつあります。
そんなわけで、今日は恒例となっております連載の方のご挨拶を。
昨日の更新をもちまして、連載も無事に9章まで終えることができました。
これも皆様のご愛顧の賜物と思っております。

いや、でも、本当に長かった……。
正直なところを申し上げて、よく皆様おつきあいくださったなと。
本当に、ありがとうございました。

ダウンロード用のswfファイルは、なぜか8章が一番重いんですが、ページ数は全編通して9章が一番あります。
その長さに相応する、重苦しい内容であったと思います。

小説の内容について、くどくどと作者が書き綴ることは、あまりかっこよくはないとは思いますが、それでも。
この章で書いたことに対して、思うところがおありの方もおられるのではないかと思います。
9章の内容――「自殺」というものは、本当に生半可な気持ちで描いていいことではない。そう私自身思っています。
それでも9章11節でカティスとベリンダが語ったこと。
傷つき、疲れ果てたカイルワーンとアイラシェールに、二人が言ったこと。
あれがこの話を執筆した2年前、そして今においても、私が出し得たたった一つの答えです。
もしかしたらあの下りは、今現実にいる誰かを傷つけるものなのかもしれない。誰かの古傷をえぐるものなのかもしれない。
そう思いもします。
それでも、私自身がとても長い時間悩み、迷い、最大限の誠意を持って描いたものであることを、お汲み取りいただければ幸いです。

これで主人公4人の心の問題は終わりです。
物語はいよいよクライマックス、起承転結の『結』の部分に入ります。
9章ラスト、昔話の通り、カイルはついにカティスに「王になれ」と語り、彼はそれを受け入れて王の道に進みました。
しかし、伝説の地・イプシラントの現状は、9章で語った通りです。
魔女の怒りによって人々が立ち上がったわけでもなく、その地に集っているのはカティスの敵といっていいラディアンス派とフレンシャム派の貴族たち。
四方八方敵だらけの中で、彼はどうやって王子となるのか。
カティスとカイルワーン、そしてレーゲンスベルグの人たちは、そこで一体何をしたのか。

伝説の地・イプシラントで一体、何が起こったのか。

第10章、いよいよ英雄王カティス・賢者カイルワーンが歴史の表舞台に登場します。
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2006年08月21日

全ての終わりの始まり

ご無沙汰しておりました柴崎です。
いや、もう、毎日暑いです。そこに諸々体調不良乗ってます。
まあこれが今週末の花火大会にぶつからなくてよかった、と言うべきところなんですが……。
そんなわけで今年も行きます、阿鼻叫喚の花火大会『全国花火競技大会「大曲の花火」』(詳細は2005/8/15の日記にて)
今年は80回の記念大会。いつものプログラムの他に、記念の「7号玉80発連発」があるというし。
そして、台風直撃が懸念された昨年とは違い、現在天気予報はぶっちぎりの晴れだし。

今年は70万人越えるのかもしれんなあ(遠い目)
秋田市の人口だって、35万いないのになあ。
コミケだって、1日あたり50万いないのになあ。

取りあえず、屍にならんよう気をつけて行ってきます……。


閑話休題。
本日は連載の方のご挨拶。
これができるのも、あと4回かと思うと、ちょっと感慨深いかも。

さて、本日の更新にて、8章が終わりました。

……とうとう、ここまで来てしまいました。

今回の最後の一言を見て、次章が何の話かは皆様お判りと思います。
次章が起承転結の『転』部分、ラストになります。
そして今まで明かさずにきたことの、相当部分が明らかになります。
ここからラスト三章は終わりに向けて怒濤の展開となりますが、ある意味ではクライマックスより痛ましく重いのが、この9章かもしれません。

アイラシェールが魔女と呼ばれるようになる、決定的な事件。
彼女を破滅に至らしめた決定的な選択。
あのアイラシェールが、なぜそんな残酷な事件を起こしたのか。
そしてその現場に、歴史を知るカイルワーンと後の王であるカティスが、本当は居合わせていた。
それが何を意味するのか。

本当は、そこで何があったのか。

第9章『サンブレストの大虐殺』
おつきあいいただければ嬉しい限りです。
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2006年07月28日

物語は終盤戦へ

今日の更新にて連載に区切りが着きましたので、恒例のご挨拶を。
これにて7章までが終了しまして、連載も残り4章となりました。
内容としては、これで起承転結の『承』が終了しました。
次回8章より、いよいよ物語も『転』の部分に突入します。

冒頭部分でシェリー・アン王妃が語った魔女と英雄王の物語。
それで言うところの『魔女と親衛隊による国権の掌握』まで物語は進みました。
歴史を変えようと努力を続けたアイラシェールが、なぜそれを実現できなかったのか。
先にある破滅を知っていてなお、国権の掌握をするに至るのか。
7章と8章はそれに至る経緯と真意の物語です。
そして7章で全く出番がなかったカティスとカイルワーンも、次章ではいよいよ決定的な転機を迎えます。
『英雄王』と『賢者』は1000年に突然歴史の表舞台に現れるわけですが、アイラシェールが以前言ったように、現状では王子や指導者と認められるわけがありません。
では、その時イプシラントで何があったのか――その布石が、次章から始まります。
そしてまた、今まで張ってきた伏線も、次章当たりから少しずつ明らかになってきます。

物語もいよいよ終盤。
よろしければこれからもおつきあいください。
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2006年07月20日

陛下は人気者?

連載を初めてはや3ヶ月。
この間に、沢山の拍手をいただきました。
解析を見て、ぽちっとなと拍手があると、そりゃあもう嬉しいものです。
そんな解析の画面を見ながら、「今日の何が気に入っていただけたのだろうか」と考えるのも楽しいものです。
日記だろうか。
連載の更新部分だろうか。
そうだとしたら、どこがよかったのか。誰が気に入ってもらえたのかと。

そんな拍手のカウント数が、たまに通常よりもいやに多い日があったりします。
そんな日は「一体今日は何が皆様つぼられたのだろう……」と考え込むことになるのですが。

先日の当社比三倍増の日は、4章8節の更新日でした。
その次は7章2節から3節を更新した日でした。


……あの。
ちょっと作者としては、この結果を見て、真剣に聞きたくなるのですが。


まさか皆さん、ウェンロック陛下が好きなの?



いや、作者もあの人、嫌いじゃないんですが……えーと。
それはあまりにも作者の予想を越えているというか。

この結果は偶然なんだろうか。
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2006年07月12日

主人公しばし不在

昨夜は大変睡眠がおかしかった柴崎です。
どれくらいおかしかったかというと

寝た自覚がない。

どういうことかというと、昨夜一晩中「眠れない〜」「暑苦しい〜」と布団の上をごろごろぐるぐるしていた記憶しかないんですよ。
でも、どう考えても6時間も寝床の上でごろごろしていたはずもなく。
となれば「眠れない」と悶絶した時間と時間の間は、寝ているんだろうなあ……と。
でも寝た記憶も自覚もないというのは、結構しんどいものです。

さて本日の更新で、連載も第6章まで終わりました。
いつも月並みですが、おつきあいいただいてありがとうございます。
6章でカティスもカイルの素性を知ることにより、いよいよ定められた運命の中に入ってきました。
SFに詳しい方は以前から理解されておられたと思いますが、この物語における『運命』とは、漠然とした抽象的なものではなく、『タイムパラドックス』という『理屈』です。
その『運命』を知るということがどういうことなのかをカティスは知りました。
そして歴史を変え、世界を壊すほどの要素を、カイルワーンやアイラシェールと同じく自分が握っていることも、カティスは自覚していきます。
そういう点で登場は遅かったのですが、作者はカティスも主人公の一人だと思っています。

ところが次章は、そんな主人公、不在です。
読者の皆様が実のところ誰が好きなのか、作者にはとんと判らないのですが、もしカティスファンの人がいたらすみません。
7章、カティスの出番がありません。
実はカイルの出番も、2回(そのうち1回は一コマなんて、実質1回)しかありません。
じゃ一章丸々何の話をするかというと……フィリスです。

『フィリス暴走』の一言に尽きる第7章。
起承転結の『承』部分ラストになります。
よろしければどうぞおつきあいください。
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2006年06月29日

記憶は固く結び合わされている

まずは連載についての御礼を。
昨日の更新で、連載も五章まで終えることができました。
明日の更新から、いよいよ六章に入ります。
この物語、ほんっっとうに明るくない話ですが、どういう方向に明るくないかが明確に示されるのが、この五章の部分でした。
だから、この章辺りから何を言われても仕方がない、という覚悟は固めておりましたが、幸いそのようなご意見もなく。
もし面白いと思っていただけているのなら、この後もどうぞおつきあいください。
(んでもって、もしお気に召していただけたのなら、何か感想いただけると本当に嬉しくありがたく……)

さて今日の話なんですが、ちょっと思い出したことを。
先日テレビで記憶の話をやっていて、母とあれこれ話をしていて思い出したのですが、私の記憶には、ちょっと不思議な癖がある。

私は長年物書きの卵の卵をやっていて、日常生活の中、頭の中で色々シーンや台詞を考えたりするのが癖になっているわけです。
そうやって頭の中で構成し、プロットを作り、まとまったところで実際書き出すわけなんですが、それまでには同じシーンを頭の中で何度も反芻したり修正したりするわけです。
ところが、そうやってシーンの記憶を辿っている時、そのシーンとは全く関係のない景色が脳裏に浮かんでくることがあります。
それはランダムというわけではなく、1シーンに対して1光景。
そのシーンを考えると、必ず同じ情景が浮かぶ。
それは歩道橋だったり、昔行っていたレンタルビデオ店の入口の階段だったり。
どうしてこんなことが起こるのか、ずっと謎だったのですが、最近ようやくその光景が何なのかが判った。

それは、私がそのシーンを思いついた瞬間、目に映っていた光景なんだ。

脳内の記憶と視覚情報がその瞬間結びつき、記憶を反芻するたび一緒に再生されるのだと気づいた。

へーほーと自分の頭の作りに感心するも、じきにこれがありがたくない事態を引き起こしていることに気づいた。

だって。
『それでも朝日は昇る』のラストシーン、最も重要な告白がなされている場面、浮かんでくるのが煤けた朝の飲み屋街なんですよ。
(あの話の構成してた頃、そこが朝の出勤コースだった)

いや、まだそれならまだいい。
今書いている新作なんて。
新作なんて。

隠されていた衝撃の真相が明らかになるその瞬間。
ある意味涙なくしては語れないはずのそのシーンで。
作者の私の目の前に広がっているのは



近所のスーパーの魚売場(冷凍)なんだもの。



シリアスなシーンなのに。
主人公一同衝撃に震えているというのに。
その姿と一緒に、必ず冷凍イカやプラックタイガーが脳裏に浮かんでくるのは、何とかならないものだろうかと真剣に思う。
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2006年06月05日

物語は核心へ(連載6/5更新分ネタばれあり)

久しぶりに、連載につきましてコメントを。

本日の更新をもちまして、連載も無事四章までを終えることができました。
物語の起承転結で言えば、これで『起』の部分まで終わったことになります。

……まだ『起』かっ! というお叱りの言葉が飛んできそうなんですが、だってまだ根本的なところが何も語られていないじゃないですか。

1〜2章は、主人公二人がタイムスリップに至った経緯と動機を。
3〜4章は、二人が過去の世界で関わっていく沢山の人たちとの出会いを描いてきました。
ラストまでの主要な登場人物も、アイラシェール側(アルベルティーヌ城)・カイルワーン側(レーゲンスベルグ)共にほぼ出揃いました。
そして5章から、いよいよ物語は核心の部分に入っていきます。

はからずも着々と『賢者』の道を歩んでいってしまっているカイルワーンと、とうとう自分が『魔女』であることを認めざるを得なくなったアイラシェール。
それが意味するところが何なのかは、当の二人同様、すでに『歴史』を知っている読者の皆様は気づくことができる。
だからこそそこには、多くの疑問が生じます。

その問いを追いかけて、物語は進行していきます。
そして今までもちらちらと見え隠れしていたほの暗いものも、形を成していきます。

本作二回目の山場を迎えます第5章、よろしければおつきあいください。
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2006年05月31日

おいしくいただきますとも

昨日職場のおじ様から、立派なミズを一抱えもいただきました。
やたっ。
貝焼き食べるっ!
実家から山椒摘んできて、たたきにするっ!
(柴崎家には、この料理に使うためだけに山椒の木が植えてあり、実家の建て替えをする際も、この木を避けて庭をデザインした)
それでもあまりそうだから、浅漬けにしようかな。

ワラビとミズを食べている時、しみじみ秋田県に生まれて幸せだったと思うのだけれども、他県の方はワラビは食べてもミズは食べないのかな。
興味ある方は、下記URLを。こういう山菜です。

ttp://www.pref.akita.jp/fpd/shokubunka/shoku-02-2.htm

私は食べることも大好きだし、おいしいものを作るのも好きだ。
そのことが書く小説にも現れていて、どの小説でも大抵重要なシーンで食べ物を出してしまう。
前サイトでは「朝食のフルコース」とか杏仁豆腐だったし、『天を渡る風』のあのシリーズではお菓子造りが上手な兄さんがいて、彼が出てくる時は必ず何かお菓子を作るのがメンバーの不文律(しかも一度作ったお菓子は、二度は出さない)だった。
過分にも読んだ方に「おいしそう!」「食べたい!」というお言葉をもらったこともあるし、実際にそれを読んだ方に「作った!」とご報告いただいたこともあるのだけれども。
もし私の食べ物の描写がうまいのだとすれば、それは書いた私が「楽しい」からなのだと思う。

今回の更新箇所は、まさにその集大成といえる場所で。
あの料理勝負の下りは、書いてて本当に楽しかった。
……この上なく重たいあの話の中で、唯一無二といっていいほど、楽しい場所だった。
(重たかったり痛かったりするシーンは、書きたいから書いてるのだけど、楽しいということとは別問題だからねえ)
あれ読んで「フライドポテト食いたい!」とか「バニラアイスっ!」と思ってもらえることがあれば、書き手としてはこれ以上に楽しいことはないなと思ってます。

そんなことを思いながら、ミズの皮むきをしました。
そうです、あれは皮むきしないと食べられないんですよ。



二時間半、かかりました。



明日こそ、おいしくいただきます……。
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2006年05月08日

物語は始まった

連載を開始して、一ヶ月弱。
今までおつきあいくださいましてありがとうございました。
その間「続きーーーーーっっ!」という、作者にとって一番ありがたいコメントも何度か頂戴いたしました。
本当にありがとうございます。
本日の更新で、本作は一つ目の山場を迎えました。
これをもちまして、いよいよ


物語を始める準備が整いました。


あ、痛い! 痛いから石は勘弁!

……冗談ではないですけど、こうやって連載という形でやってみると、やっぱり問題おおありだったなこの構成。
でも、更新の方をすでに読まれた方なら、お判りと思う。
この物語は、今日の更新の最後の一行で、一気にこれまで積み上げてきた世界の総てがひっくり返ります。

ああ、やっぱり石飛んできそうな気がするんだよなあ。
まさかこんな方向にひっくり返ると思った人は、一人もいないと思うんだよな。
でもひっくり返った先にあるものは、勘のいい方ならもうお判りでしょう。

そう、勘のいい方なら今回の最後の一行で、お判りになられたはずだ。
この話が、一体何の話なのか。
私はこの話で、一体何をやろうとしているのか。私が何を描こうとしているのか。
そして本当に先の読める方なら、SFの知識がおありの方なら、もう判ってしまうかもしれない。
この物語が迎える結末が。


この小説の連載を始めるにあたり、各ノベルサーチに登録した時に、実は登録先にとても迷いました。
このノベルの入口に書いてありますが、この物語の本質はSFです。
舞台は中世ヨーロッパ風であり、一国の興亡について詳細に述べるため戦記にも見えるのですが、実はそれは化けの皮です。
この物語の中心を貫いているのは、SFでは常套(もしかしたら古典?)である理論。
この物語は、それに直面することとなった沢山の人たちの物語です。
薄々気づいていると思いますが、この世界には剣はありますが魔法はありません。
たった一つの不条理(今回出てきたあれですね)をのぞいて、アルバのあるあの世界は私たちの住む世界と何ら変わることはありません。
ただそのたった一つの不条理が存在するが故に、魔法のような出来事が起こり、奇跡が起こり、悲劇が起こる。それがこの世界です。
ですから、この物語はファンタジーの皮をかぶったSF。
SFのカテゴリに、現代と近未来以外の分類があったサーチには、そちらで登録させていただいたのはそのためです。
しかし、SFを求めてこられた方には、詐欺だと思われただろうなと思います。
……今まで、まんまファンタジー風味だったしなあ。
そして、剣と魔法の世界を求めてこられた方にも、それはそれで詐欺を働いている気分になります。
この話、皆様が望まれているほど純粋な中世ファンタジーでも、実はない。
そういう点で、この話は色々と微妙な物語ではあります。

ただ。
ただ、もし、今までの連載でこの話を面白いと思って下さっているのなら。
これから先もおつきあいいただければ、本当に嬉しいです。
だって、この話が面白くなるのは、これからなんだもの。
私が一読者の目でこの話を見て、思うもの。
だって、実のところ1・2章って、総てが三章以降の伏線だったんだもの。

1章と2章で提示した謎。闇の向こうに消えた歴史と、隠蔽された真実。
それは、作者自身が明かすつもりのない三つをのぞいて、総て明らかになります。
その果て、全ての登場人物たちが辿り着く場所に、皆様も共におつきあいいただければ本当に何よりです。


キーワードは『運命』
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2006年04月15日

事前連絡

選評を色々と咀嚼してみて、他の人へのものと見比べて思った。
やっぱりこれは前向きに受け止めるべきものだ。
そうして考えると、今まで色々悩んできたことに答えを出してもらえたのだという結論に辿り着く。
それは本当にありがたいことだった。
そして自分の問題点も、課題も、明確な目標と締切も見えた。

あとはもう、ただ頑張るだけなのだと。
私は壁の前までは辿り着いたのだと。
あとは壁を壊すだけなのだと。
そう自信を持っていいのだろうと、思った。

それは心踊る思いだった。

さて連載の方も、読んでくださる方がいらっしゃるようで、ありがたい限りです。
まだ冒頭、これからです。
555で言えば、まだ巧も出てきてません。
よろしければ腰を据えておつきあいください。

事前連絡なのですが、今回の連載開始に伴い、オンライン小説系のサーチに登録しようと思っています。
それに伴い、この引きこもりサイトは少しだけオープンな態勢になります。
ここからリンクをしているサイト様が現在ないので、ご迷惑はおかけしないと思いますが、一応お心に留めてくださればと思います。

あと次回更新時に、用語集CGIを設置しようと思っています。
本文で判ること以上の記載はしませんが、なにせ長丁場、絶対忘れられる固有名詞があると思いますので、よろしければご活用ください。

……というか、どこかにいい用語集CGIはないものだろうか……。
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2006年04月14日

小説連載開始

以前から日記でぽつぽつ言っていた投稿の結果なんですが、このタイトルを見てお察しいただけると思います。

まあその、ボツっただ。

それは薄々判ってたことだったんですが、いただいたコメントを今日見まして。
物凄くびみょーーーーーーな気持ちになった。


誉められているのか、そうでないのか、どっちなんだろうこのコメント……。


いや、端にも棒にもかからないと言われたわけじゃないから、いいことにしよう。

そんなわけで、ようやくこの作品にも見切りがつけられる。
このサイトを開いた時にお話ししたように、この場を借りてこの作品を公開させてください。
基本的に月曜・木曜の更新の予定ですが、ペースが早い・遅い等のご意見があればお寄せください。

昨日の日記で弱音を吐いたように、正直どれほどの方がこれを読んでくださるのか、疑問ではあるんだけど。
もしおつきあいくださる方が何人かでもいらっしゃるのなら、とても嬉しい。
本当嬉しい。

そしてもし、前サイトの二次創作を気に入ってくださっていた方が読まれたのならば、この話はある意味既視感があるかもしれない。
この話の根底にあるものは、メインストリームと非常に似ていますから。
なぜあのラストで巧が、勇治と一緒に雪野原の向こう側に行かなかったのか。
なぜ最後に巧が言った言葉が「さよなら」だったのか。
あの話では明確に言葉にしなかったことを、言葉にして書いたのがこの話ですから。

だからもし、興味を持たれた方がいたら。
よろしければおつきあいください。
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2006年04月13日

たった一つ願うこと

酒の勢いを借りて、ちょっとだけ愚痴を漏らしてもいいだろうか。

ここしばらく、ちょっと思うところあって、小説を書くということに対して色々悩んでいた。
自分の身の振り方とか、大げさに言えばこれからの人生のこととかも絡んで、まあ色々ぐるぐると。
三日立て続けにその絡みの夢を見て、日を追うごとに結果がよくなくなっていく様が、自分ごとながら笑えた。

最後の日は、書いたものを誰にも読んでもらえない夢だった。

誘い受けのように見えるなと自分で書いていて思うのだけれども、決してそういうことじゃない。
以前のサイトでも書いたけれども、オリジナルやってた時、私は誰にも買ってもらえない本というものを、幾つも幾つも作っていた。
友人ですら、いまでは作品を読んでくれる人は数少ない。

私の小説は、本当に読んでくれる人が、いない。

不特定多数の人に読んでもらえたのは、前サイトの二次創作だけだ。
そこで沢山の人に読んでもらえて、沢山のもったいなさすぎる言葉を頂戴して、それは本当に幸せなことだったけれども。
それが自分の力だけであったわけではないことは、百も承知だ。

なぜプロになりたいのか。
なぜ人生のかなりの部分犠牲にしても、物書きになる夢を捨てられないのか。
自分が望んでいることが何なのか。
そんなことを、ぐるぐる考えて、ふと思った。

私は、誰かに自分の小説が、読んでほしかったんだ。
できるならば、一人でも多く。
そして叶うなら、一人でも私の書いたものを、好きになってほしかったんだ。
私と一緒に、私の書くものを、好きになってほしかったんだ。

この現状報告に終始してきた『miniature garden』も、もうすぐ一年を迎えます。
一年をすぎてなお、何の創作物があるわけでもなく、ただつらつらと思うところを書き綴っているだけのサイトに、いまだこれほどの数の方たちが訪ねてくださることを、本当にありがたく思います。
皆様がこのサイトに何を望んでいるのかは、実際のところ判らない。
その期待に応えられているかも判らない。
でも、もし、興味がおありの方がいらっしゃれば。

私のオリジナルにも、付き合ってくださると嬉しい。
本当に、泣きたくなるほど、嬉しい。





答えは、明日出る。
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2006年02月28日

情報の取捨選択

今日はがりごりと一応真面目に取り組んでおりますオリジナル絡みの話。

小説を書く時、どれくらい資料を集めるか、参考にするか、ということは皆様それぞれだと思います。
私は職業柄資料に厳密に当たるということが身に沁みてますので、小説を書く上で、かなりの資料集めをします。
知り得たことを全部文章に反映させる必要はない、とは思いますが、たとえ書かなくても、知識が少しでもあるのとないのとでは違う、と思うんです。

今回の話は軍事クーデターと軍隊、戒厳、民主化運動なんかが物語の中心に大きく関わってきていますので、そこら辺の資料を重点的に収拾しているのですが。
……あの、どんな資料よりもリアルな現実が今目の前に。

おかげで現在、フィリピン関係のニュースから目が離せない。
こ、これが戒厳(≒非常事態)と軍事クーデター…………。
ついでにタイとネパールからも目が離せません。
リアルタイムにもほどがある。
……いや、他国の緊張をありがたがってはいけないのですが。

そんな資料集めには本や新聞だけではなく、勿論ネットもフルに活用します。
疑問に行き当たっては、ぐぐって関連ページを探すわけなんですが。
前回の作品書いた時と今は、状況が変わってきた。

軍事だけではなく、剣術のことやら、農作物のことやら、正装のことやらと疑問は多岐にわたるのですが、それらを検索してみると、とにもかくにもwikiと2ちゃんに当たる。
個人や関連団体のページにも当たる。けれどもかなりの分野で上位にこの二つが入ってくる。

このどちらも商売柄、無条件で鵜呑みにできないことは判っている。けれどもその道を極めたオタクの皆様が、己のプライドをかけて書いたであろう書き込みや、真剣に交わされている議論は、やはり参考になることが多い。

しかしながら先日、己に決して無関係ではない人物が、2ちゃんで叩かれていることを知った。プライベートに関わることで晒されていることを知った。
これに関しては私自身本人のことが好きではないし、正直関わりたくないと思う人物ではあるのだが、それでも当人の挙動が私の日常にいささか影響を出してしまう立場の人間ではある。
身内にそのことを聞かされて、ネットを前にして、思った。

私はその書き込みを読むべきだろうか、と。

結論として、私はそれを読まないことにした。

情報化社会がうんぬんされて、盛んに情報の取捨選択ということが言われるようになったけれども。
今回思ったことがある。
情報の真偽や信憑性を考慮し、情報を精査するだけではなく。
敢えて情報に近づかないのも、一つの方法ではあると。
たとえその情報が、真実であるとわかっていたとしても。


〔現在の原稿進展状況〕
主人公:5歳 枚数:400字詰め原稿用紙93枚
100枚近くも書いて、まだこんなところ……。
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2006年01月27日

主人公、とはなんぞや

年度末になってきましたので、色々と映画賞のニュースを聞きます。
それを聞いて一寸首を傾げた。

『フライ,ダディ,フライ』で、主演ってO氏なんですか?
私の中で、あの話の主人公は鈴木さんで、ということは主演はO氏じゃなくてT氏なんだが……。

映画における主演と助演の違い。
その作品における誰が主演なのか。
それを決定づける要素とは何なのか。
映画に詳しくない私にはそれはちっとも判らないのだけれども、ちょっと考え込むきっかけになった。

以前から話題にしている投稿原稿を某E氏に読んでもらった時の話。
こう聞かれた。

「この話の主人公って、●●と考えていいんですよね?」

聞いた瞬間、机に突っ伏した。
そ、そいつ以外の誰があの話の主人公だというんだ! と思ったんですが。
それが明確に判らない書き方だったのなら、問題ありだったか、とも思ったんですが。
やっぱり考え込む。
物語における主人公とは、何だろうと。
一体何をするのが、どうあるものが主人公だろうかと。
一番目立つキャラクターだろうか。
視点が置かれているキャラクターだろうか。
いや、やはりそうとも言い切れない。
なぜなら物語には「狂言回し」という役割が存在するからだ。
物語を牽引し、解説する役割の人物。
関口巽や石岡和己は狂言回しであって、主人公ではないよなあと思う。
やっぱり主人公は京極堂だし御手洗だろう――たとえどれくらい出番が少ないとしても、だ。

それでも私、『フライ,ダディ,フライ』の主人公、鈴木さんだと思うんですがいかがでしょう?
そう思っちゃうのは、シリーズの他の話読んでいないからなのかな。

そしてやはり考えてしまうのは、今プロット鋭意作成中の新作。
幼なじみの男の子三人の成長ものなんですけどね。
全員がそれぞれ成長していく話なんですけどね。
主人公誰かって聞かれたら、私の中では間違いなく、三人の中で一番出番が少なく影の薄い奴だ……。

まったく主人公って、なんだろう?
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2006年01月19日

言葉を呑み込む

wall02.jpg

今日の日記に張り付けている画像は、トップに置いている「訳あり画像」の遠景です。
面白がって撮ってみたら、意外にシュールな写真ができてしまったので、トップに飾った次第。

……遠景にしても、何が何だが判らないこの物体、何かというと、壁です。
レポートで書きました、地下放水路のポンプ室の壁。
空気か光か防音のためだったかは忘れましたが、非常に特殊な事情のため、壁が金網の筒状のものをひたすら連結して作ってあって、トップの写真はその筒を覗き込んで撮ったものです。
大変珍しいもの、なのだそうですが。
……見てのとおり、壁だというのに行き止まりが見えません。
一体この壁、どれぐらいの厚さがあったのか……。

さて今日の日記なんですが。
最近、ちょっと悩んでいることがある。
ここの日記、書いた後で消すことが多くなった。

理由は単純。
私の精神と日常が、今もうオリジナルの方に行ってしまっているから、どうしても日記の内容がそっちに浸食されてきてしまって。
書いてから、こんなものをお客さんが見ても面白かないよな、と思うことになる。
それで削除ボタンをぽちっとな、と。

二次創作をやってみて判ったことなんだけれども、オリジナル者の辛さって、読んでくれる人が少ないことや何やと色々とあるけれど。
もしかして一番辛いのは、萌えを吐き出すところがないことかもしれない。
その萌えを、誰とも共有できっこないことなのかもしれない。
よく二次創作で「自給自足」という言葉が出てくるけど、オリジナルはもうそれしかなくて、果報なことに萌えてくれることが現れるとしても、それは書き終わってからなんだ。

それでも己の頭の中にしかその世界がない以上、書くしかない。
ただひたすら書くしかない。
ああ、書くさ。書きたいさ、だから書き切ってやるさ。


たとえプロット段階予測が2000枚でも。


また2年コースかーーーーっっっ!!
どうしてこうなるんだこの馬鹿はっ!


と書いてまた、こんな話書いても仕方ないよなと悩む。
こんな繰り返しです。
まあ現状報告サイトでもあるので、たまにこういうのがあるものと思っていただければありがたい限りです。

そんな現状報告の話をすれば。
ノベルのページですが、予告しておいて開設が遅れててすみません。
今アップ予定の過去作品のHTML化をしてるんですが、本人短編だと思っていたら、思っていたより分量がありました。
もうちょっとだけ、待っててやってください。
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2005年12月05日

声に出して読みたくない日本語、だけど

昨日の『555ファイナル(仮)』の予約、ついうっかり20秒ぐらい出遅れた柴崎ですこんばんは。
……この結果が出ないことには、東京行きの足の確保もできません。
じりじりしますのー。

さて明日から再び『地獄のロード』に突入するわけで、昨日今日は貴重な休日だったわけなんですが。
たまっていた家事やったり、原稿を送りに郵便局行ったり、甥っこと遊んだりという雑事の時間以外は、気合入れてやってました推敲。
以前「しっかりと画面推敲したから、紙推敲はたいしたことないだろう」と書いたんですが。


…………とんでもなかった。


私、この話書き終わってから、何回読んだと思うんだ。
それにもかかわらず、今回の推敲で出てきた赤チェックの数は、もう数えたくない。
最初ちょっとやっただけで、あまりにも大量に出てきてしまったために、もうおろそかにできなくなってしまって、これまで何日もの休日つぶしてこれに取りかかっていたわけなんですが。

さて、何回も推敲してるはずの話から、これほどの修正箇所が出てきた理由はと言いますと。
それは実は、前サイトの再録本を作る時に初めて取り入れた方法で、今回改めて推敲したから。
それは。


原稿全部、内心で声に出して読んだんだ。


ええ、読んだわよ1970枚…………。
さすがに一月かかったわよ…………。

声に出すのは、内心でやっても本当のところ凄い疲れる。
でも、これやると、誤字、本当に見つかるよ。
普通に目で文章を読むのとは、間違いなく脳味噌の別の場所も働いているのが判りますから。
締切がある身である以上、なかなかそこまで時間が取れないのが実情とは思いますが。
もしここに来られている字書きさんで、出された本の誤字の多さに懊悩されている方がいらしたら、ちょっとお勧めしたい方法です。


無論、内心でさえ声に出せるようなシーンでないといけない、という条件はつきますけどね…………。
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2005年10月26日

あの日のカレー

曜日の日記で書きました「私生活炎上」
本日あたりでピークに達した気がします。
えーと。その。

どうして結婚するのは私じゃないのに、こんなに大変なんだろう……。

正直「心底くたびれた」と申し上げたい今回の友人の結婚パーティは今週末です。
今回これを兼ねてロングドライブを敢行しますので、出発前夜である明日から、今月いっぱい留守にいたします。
予定では、11/1に復帰予定です。

さて、先日来ぽつぽつと進めておりました投稿用原稿の推敲ですが、昨日終了しました。
といっても画面推敲で、これから体裁を直したりする、紙での最終推敲が待ってはいるのですが。
それでも、もはやストーリーを直すことはしませんので、根本的なところはこれで終了です。
休日であった昨日、こもりきりで原稿と向かい合いながら、ようやくここまで来たなと、しみじみと思いした。

残すはあと、エンディングのみ。
とにかく夕御飯を食べてから、最後の1章の推敲にかかろうと思い、口に運ぶは作り置きのカレー。

この小説を書き始めたのは、ずいぶん前だ。
書き終えるまでも時間がかかった。
書き終えてからも、納得がいく形になるまで長かった。
その間に、本当に色々なことがあり。
沢山の人に出会い、何人かの人と別れ、大事な人を見失った。

その作品も、ようやく手を離れていく。
どんな評価を下され、どんな未来をもたらすかは、まだ判らないけれども。

けれども、必死な思いで書いたことは、事実だ。
そうカレーを口に運びながら、ふと。
本当にふと気づいた。

今から推敲しようとしているエンディング。
それを書いた時も、とにかく夕御飯を食べてから書き始めようと思ったんだ。
けれども、もうこの物語が終えられる――そして終わってしまう。そう思ったら、気が急いて。
気持ちがもう原稿に全ていってしまって。
胸がいっぱいで、喉が詰まって。

お腹は空いているのに、食事が喉を通らなかった。

それでもむりやり1/3くらいを胃に押し込んで、最後の1章を一気に書き上げた。
その夕御飯も、カレーだった。

あの日の夕御飯も、カレーだった。


本当にささやかな、偶然なのだけれども。
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2005年10月08日

最初から最後まで面白い

先日同僚で、大変な読書家でおられるTさんとこんな話になりました。
「柴崎さん、最近ので何か面白い本ないですか?」
「……いや、私ほとんど小説読まないからなあ。よっぽどTさんの方が色々と読んでるでしょ」
「いやですね、この間『○○』(とある人気作家の、ある賞を受賞した作品)読んだんですけど」
「どうでした?」


「後半が、面白くないんです」


……えーと。

「Tさん、この間『■■』(話題の新人作家のデビュー作)読んでましたよね。あれどうでした?」
「あれですか、あれはですね」


「前半が、面白くないんです」


……そ、それは。


「全編通して面白い小説、ないですかね?」


凄い難題だ、と思った。
そして自分のことを振り返ってみて、なんとも言えない気分になった。

私はaboutに書いてあります通り長編書きです。
そして長編書きの作品が長くなる理由、それは色々あると思うんですが、その中の一つが布石や伏線のせい。
ラストに大がかりな仕掛けや、どんでん返しを持ってこようとすると、より緻密な伏線を張り、布石を起きたくなる。
ラストに向けて、様々な準備をしたくなる。

でもその伏線や布石が『準備』にしか見えなければ、それは面白くないだろう。
そしてその伏線や布石がどれほど期待を抱かせる素晴らしいものであっても、その結果がお粗末であれば、本を投げられることだろう。

それは判っている、のだが。

そんなわけで、手元にある問題の原稿を見つめる。
作者である私自身が、「この話で一番面白いところはどこですか」と問われたら、即答できるんだこれ。
ラスト3章。
下手すりゃラスト2章。
全12章の構成で、少しずつ謎が解明されていくように見えて、真実謎解きなのはラスト3章だけ。
残り9章は、色々な事件が起こっているように見えて、実は全てラストに向けての布石だ。
間違いなく、あの話はラストが一番面白いはずだ。
その構成を変えるつもりもないし、間違っているとも思わないけど。

でも、Tさんの言葉を聞いて、考え込んでしまった。

作家は「ラストになれば面白くなるから、これは説明で布石で伏線だから最後まで読んで」と言っては駄目なんだ。

どれほど困難でも。
どれほど難しくても。
物書きは、最初から最後まで面白い作品を目指さないと駄目なんだ。
そうでなければ、途中で本を投げられる。読んでもらえなくなる。


今回のこの話が、それほどまでに評価の辛いTさんにも面白い、と言ってもらえるものだろうか。
前半も、後半も面白いですか?
そういつか、問うてみたい。
そう真剣に、思う。
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